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月刊未来経営

何に投資すべきですか

「多少余剰資金があるのですけど、何に投資すべきですか。」という質問をよく受けます。私は、自分が汗水たらして稼いだお金を、自分のあずかり知らぬところで損をすることが極端に嫌い(要はケチ)という株などの投資に向いていない性格のため、経験値がなく、全くアドバイスできません。

ただ大きなトレンドだけは何となくわかります。
昭和の時代は、借方の資産は膨らんでいく一方の時代でした。1,000万円で買った土地はいつの間にか2,000万円、3,000万円となり、一方の貸方である借入金はインフレとともに重荷が消えていき、多少失敗の投資でも、その土地を売れば借入を清算し、おつりがくる時代でした。つまり借方の資産が大きければ大きいほど良い時代でした。
そして平成3年にバブルが崩壊し、それからミニバブル、ITバブルなどが発生しましたが、景気変動を繰り返すたびに資産価値は下落し続ける20年でした。先月号で見ていただいたとおり、平成に入って20年間で松本の土地の資産価値は1/4近くまで下がってしまったのです。
そして今は、景気変動の幅は先進国で小さくなり、資産もかつてのような値下がり傾向はなくフラットになりました。その一方で世界的にお金がダブつき、そのお金の行先で、ある国の通貨が上がったり、株価が下がったりします。その傾向は以前よりあったのですが、ここのところその傾向が極端に表れています。そのような時代の投資原理は貸方の借金を限りなく小さくすることです。債務を弁済し、資産の値下がりリスクに備え、堅実な財政状態を確保します。

さて余剰資金をどう投資するか。世の中、株が上がり、東京の土地は上がり、余剰の現金がある人は何かに投資しないとバカを見るような感じがあります。そちらの才能のある孫正義のような人は、どうぞ思ったところに投資してください。しかしあまりその手の才能がないなと思われた方は、自社の事業や従業員に投資してはいかがですか。

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