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月刊未来経営

「インボイス方式」導入の影響

消費税の増税が見送られるような、そうでないような微妙な空気となってきました。
増税の問題はともかく、今回の改正は流れてくれないものかと願っています。と申しますのは、今回の改正は単純に税率が上がる改正ではないからです。

今回は増税と同時に「複数税率」、そして時間差で「インボイス方式」が導入されます。インボイスは消費税法では、適格請求書と言い、請求書などに税額、税率、そして課税事業者のみに与えられる登録番号などが書かれたものです。そして消費税の仕入控除にあたっては、課税業者が発行したインボイスに書かれた消費税のみが控除対象になるという制度です。
そうなるとどんな影響が出るのでしょうか。

1.課税業者はインボイスの発行そして副本保存が不可欠となるため、すべての課税業者で販売管理システムやレジスターの入れ替えなどが、インボイス方式が導入される平成33年までに必要となります。

2.免税業者はインボイスの発行ができません。そのため経過措置(平成33~38年)を経て、最終的(平成39年)に免税業者から購入したものは消費税の控除が一切できなくなります。今まで誰から買ったのかは関係なく仕入控除していたと思いますが、誰から買ったのかで仕入控除ができたり、できなかったりします。
それを区別するために会計システムも入れ替えなどが必要となります。

3.免税業者から購入すると税額控除できないとなると、客先が課税業者の場合、免税業者は、しかたなく税抜価格で売るか、自ら課税業者を選択しインボイスを発行するかを迫られるでしょう。簡易課税制度も見直しが予定されているので、今まで消費税の益税の恩恵を受けていた小規模事業者には厳しい改正内容となることでしょう。

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