デイサービスの介護予防と自立支援
デイサービスの利用者は普段自宅でどのような生活をしているでしょうか。利用者は何らかの障害を抱えているため、家に閉じこもりがちで寝ていることが多い利用者も多いことと思います。こうした利用者については様々な場面で体を動かす機会を作ることが介護予防と自立支援の第一歩になります。
たとえば、寝ている利用者を起こすときなど流れの中で全介助になっていないでしょうか。利用者も介助されることが当たり前と言う環境になっていないでしょうか。こうした過剰介護の状態は利用者の身体能力低下を招きます。筋力は何も負荷をかけなければ1週間で20%、3週間で60%低下すると言われています。
過剰介護を防ぐキーワードは「声かけ」と「待つこと」です。靴の着脱時、衣服の更衣動作など手を出す前に利用者でもできるか判断し、できそうであれば「自分でできますか」「やってみましょう」など声をかけ、できるまで待ちます。そしてその動作ができたときには利用者と一緒に喜び合う事により利用者自身でできる動作が増えてくると思います。
ただし、リスクもつきまといます。無理に頑張ろうとすれば関節痛や筋肉痛、転倒などのリスクが生じます。呼吸器系、循環器系の疾患を持っている利用者もいらっしゃるでしょう。こうした利用者に安全に頑張っていただくために、利用者一人ひとりの情報を把握し、看護師など専門家の意見も踏まえながら声がけをすることが重要になります。
昨年の介護報酬改定によりデイサービスのサービス提供時間の見直しが行われました。提供時間が延びた分、通常の動作にじっくり時間をかけることにより、今までと同じサービスメニューでも充実したサービス内容になることと思います。