認知症の人への対応
80歳以上の方の4人に1人は何らかの認知症を抱えていると言われています。長野県内でも3万人以上の方が認知症とみられています。そのため、介護事業者にとって認知症への対応は重要な業務の一つになります。そこで今回は認知症の人への対応を考えてみます。
○ほめる・肯定する・受け入れる
認知症の人は病気によって頭は衰えますが、心は元気な時と変わりません。たとえば、食事の後何を食べたかは忘れてしまいますが、おいしかったと言う感情は残ります。そこで、ほめる、肯定する、受け入れるといったプラスの感情で接することが基本になります。
○小さな達成感を味わってもらう
認知症になったからといって何もできなくなるわけではありません。お米を研ぐ、床を掃くなど長年繰り返し体で覚えている作業はできるケースも多いと言われています。作業ができたときは「ありがとう。助かるわ」など感謝の言葉をたくさんかけましょう。自分が役に立っているという気持ちは認知症の人の心を穏やかにします。ただし、献立を考えるなどは困難ですし、当番で掃除をするなど責任を負わせることも無理があります。
○家族の気持ちを考える
家族の気持ちを考えることも大切です。認知症の人と暮らすことは365日24時間気が抜けないと言われます。「認知症の人には優しくしてあげなくちゃ」など何気ない一言が家族を傷つけることがあります。
第7号で取り上げたオレンジプランからも今後、ますます認知症高齢者の増加が予想され、しかも厚労省はその大半を在宅で対応するとしています。認知症介護実践研修などに参加することで対応力アップを考えてはいかがでしょうか。