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リスク・事故防止策を具体的に記載した介護計画書

要介護2の87歳女性のAさんは脳梗塞による軽度の左半身マヒで軽い認知症もあるため、介護計画書には「歩行は常時見守りが必要」となっていました。ある日、デイサービスの送迎車を待っていたAさんが突然車いすから立ち上がったため、転倒し右腕を骨折してしまいました。
事故はあってはならないことですが予見が困難な場合、いくら注意していてもこのようなケースは起こってしまう可能性があります。しかし、介護計画で「歩行は常時見守りが必要」とあれば見守りを怠ったデイサービスの責任が大きくなる可能性があります。
では、どのような介護計画が望ましいでしょうか。ポイントは2つあります。「リスクを具体的に記載する」「事故防止の取り組みを具体的に記載する」です。

通所介護計画書の具体例

「歩行時の転倒の危険について」
A様は自力で歩行することが可能ですが、極めて不安定であり居宅と異なり広いスペースのデイサービスでは転倒の危険が大きくなります。そこで転倒の危険を軽減するため次のような防止策を検討しました。A様の安全な歩行の為、ご家族様の協力もぜひお願いします。
防止策:①歩行能力向上のため基礎運動(軽い体操)を行います。②立ち上がった瞬間が最もバランスを崩しやすく、職員も対応が難しいため、立ち上がる際は職員を呼んでいただくよう、毎回来所時にお願いします。③歩行の安定のため杖、履き易い靴、動きやすい服装などが必要です。安全な歩行に適した状態で来所されるようご家族も配慮をお願いします。④無理なく立ち上がれる椅子、歩きやすい床、手すりなど安全な歩行環境に配慮しておりますが100%安全な環境は実現困難ですのでご理解をお願いします。
※日経ヘルスケア2014年5月号より

介護計画書では「見守りを欠かさないよう職員間で徹底する」など一見頑張ればできそうな計画を見かけますが、実際は片時も目を離さないことは現実的ではありません。上記具体例を参考に実現可能な介護計画なのか見直してはいかがでしょうか。

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