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介護と経営

二兎追って二兎得るセルフサービス

焼肉屋やバーベキューが好きな人は大勢いますが、なぜでしょう。様々な理由があると思いますが、一つに「自分たちで好きなだけ好きなように焼いて食べられる」というこがあると思います。いわゆるセルフサービスです。それは顧客の満足度を向上させます。一方お店側は、お客が勝手に焼いてくれるので、ただ肉を切るだけです。
一昔前は、今のようなスーパーマーケットはなく、商店街などの八百屋さん、お魚屋さんで食材を買っていました。それらを一箇所にまとめ、対面販売ではなく、商品に値札を貼り、きれいに陳列し、お客がショッピングカートを押して自由に買い回りできるようにしたのが、アメリカのスーパーマーケット、キング・カレンでした。対人販売を止めたことにより、人件費が削減できたのは当然ですが、お客に自由に店内を歩かせたことにより、売り上げ点数も増加したのです!

ある介護事業所では、お昼のご飯を利用者自らが、釜から自由によそって食べられるようにしたそうですが、戦後の食糧難を経験したお年寄りには、炊き立ての白いお米を自由に好きなだけ食べられるというのは、とても感慨深いものだそうです。
コロンビア大学のアイエンガー教授によると、ある実験において、介護施設の入居者を2つのグループに分け、一方のグループは職員が選んだ鉢植えを配り、水やりも職員が行うことにし、その施設で見る映画も職員が番組を組みました。もう一方のグループでは、入居者自身が好きな鉢植えを自分で選び、水やりも自分達でする。映画も入居者自身で決めました。3週間後「選択権なし」のグループの70%以上に健康状態の悪化が見られ、「選択権あり」のグループの90%以上に改善が見られたのです。選択と自立が健康にも影響を及ぼしたのです。

良かれと思って利用者に至れり尽くせりのサービスをすることは返って弊害を生むこともあります。セルフサービスを上手に取り入れることにより、自分たちの手間を減らしつつも、利用者の満足度を高める方法がきっとあるはずです。

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