沼にハマる
最近、「沼にハマる」と言う言葉が、一般的に使われている。(筆者の名前に「沼」が付いているので気になって)調べるとゲームやアニメなどにどっぷりハマって抜け出せない状態のことをネット用語として使われるようになったところに端を発しているらしい。
当たり前だが、仕事にはコントロールできることとできないことがある。無理を通せば道理が引っ込む。コントロールできないことを無理やりコントロールしようとするとロクなことにならない。無駄なことに時間とエネルギーと注意を突っ込んだ挙句に空振りを繰り返す。エース級の人材を投入するもブレークスルーには至らず、あらゆるものをすり減らしてしまう。まさに沼にハマっている状況だ。
ただこれが結構むずかしいところで、何をどこまでコントロールできるかは考える人によって相当に違うのである。どこまでを環境や能力によって制御可能で、どこまで所与の条件として受け入れるか、その見極めはビジネス的なセンスが問われるところで、傍から見ていると無理と思われる難題を鮮やかにブレークスルーしてしまう人もいるし、要領よくそこは所与の条件として受け入れ、さっさと別の勝負ポイントを探して、しっかり儲け体質を構築する人もいるのである。
だが沼にハマりっぱなしの人も多い。その差は何か。いろいろとあるが経験値で言えば、自分を客観視できている人と、出来ていない人の差が大きいように思う。
沼にハマっている人のそのことに関するコメントはだいたいこうだ。「いつも一生懸命やっているんですけどね。」
スポーツの世界でも二流選手も、三流選手も、もちろん一流選手も一生懸命練習している。ただ例えばプロ野球で言えば、1チームでピッチャーは35名くらいで、そのうち12名が一軍だ。自分がそのうちに何番目で、1つ上に行くには何か足りないかを自分を客観視して、そのための練習を自分で考えてできている人は上に行けるけど、自分が何番目かの意識もなく、ただ闇雲に練習している人はドラ1でも大成しないらしい。ひょっとして沼にハマっているかもと思われた方は自分と自分の組織を客観視することをお勧めする。
【文責:飯沼 新吾/プロフィールはこちら】