fbpx

トピックス

ビジネスレター

月刊未来経営

リスキリング

最近、リスキリングという言葉が流行っている。

リスキリングというと、デジタル人材になれとか、プログラミングを習得しようとか、データ分析ができるとか、古典的には外国語を使いこなせるとか、そうした方面のスキルの習得を指しているようだ。

自分の仕事能力を市場で買ってもらうにあたって、それが買い手の需要(例えばデジタル人材が足りないとか)とズレてきているから、そこを埋めねばということだ。新年の抱負でそんなことを考えた人も少なからずいるだろう。スキルを向上させ、自分の戦闘能力を高めていく、このことは言うまでもなく大切だ。

ところが、だ。現実に仕事ができる人と、リスキリング的にもてはやされるスキルを持っていることとは直接的な関係がないことのように思える。それはなぜか。

「仕事ができる」とはどういうことか。簡単に言えば「頼りになる」ということと同義語だ。「この人なら安心して任せられる」もっと言えば指名買いで「この人じゃないとダメだ」と、思わせる人が「仕事のできる人」なのだ。

仕事のできない人は、仕事のできる人と自分を比較し、スキルが足りないと考え、あれこれとインプットをする。これは重要だ。基礎的な戦闘能力がないと話にならないからだ。問題はそのあとだ。

そのスキルを実際の現場に持ち込むには、スキルを超えた何かがいるのだ。例えば客先が本当に望んでいることを察知する能力とか、客先、あるいは企業内部におけるごつごつした人間関係をすっと収めてしまう能力とか、インプットとしたスキルを客先用に器用に変形する能力とかだ。

一言でいえばセンスがあるかないかだが、でもそれも生まれつきではないと私は思う。

ではどうやって身に着けたのか。この人たちの行動は、スキルのインプットよりも、アウトプットを重要視し、実験的にアウトプットして成功したところに工夫を加えて、さらに成功し、経験値を増し、自信を蓄えている、その繰り返しのように感じる。仕事ができるようになるには、何かそこら辺にコツがありそうだ。   

(文責:飯沼新吾/プロフィールはこちら

最新記事一覧へ

アーカイブ