事業に失敗するコツ12条
「玉子屋」さんという弁当屋さんをご存じだろうか。
首都圏で一食550円の日替わり弁当を企業向けに売っている弁当屋である。企業側で午前中、社員から注文を取った弁当をお昼までに配達をする商売だが、その食数がなんと最大7万食というからびっくりだ。塩尻市の人口より多いではないか。
7万食の弁当を、注文をもらってから調理、配達では当然間に合わない。だから場所によっては、注文をいただく前に、すでにトラックに乗って移動中というものもある。つまりは相当部分が見込みで動いているのだ。ところがその廃棄率は0.1%と驚異的に低い(一般には3%)。逆に原価率はなんと53%(一般には40%が限界)だから旨いはずだ。ほかにも紹介したい驚きの経営手法は山ほどあるが、それは「東京大田区・弁当屋のすごい経営 菅原勇一郎著 扶桑社」をご覧いただきたい。
今日はその著者であり、玉子屋の社長である菅原氏が、その本の最後に紹介している事業に失敗するコツ12条を紹介したい。読めばドキリとすることばかりだ。
- 旧来の方法が一番よいと信じていること
- 餅は餅屋とうぬぼれていること
- ひまがないといって本を読まぬこと
- どうにかなると考えていること
- 稼ぐに追いつく貧乏なしとむやみやたらと骨を折ること
- よいものは黙っていても売れると安心していること
- 高い給料は出せないといって人を安く使うこと
- 支払は延ばす方が得だとなるべく支払わぬ工夫をすること
- 機械は高いといって人を使うこと
- お客はわがまま過ぎると考えること
- 商売人に人情は禁物だと考えること
- そんなことはできないと改善せぬこと
【文責:飯沼新吾/プロフィールはこちら】