2024年4月以降、物流インフラが低下する
最近ニュースなどで耳にする、運送業界に対する残業時間の上限規制。この法改正は決して他人事ではなく、私たちにも広く影響が懸念されています。
コロナの影響により、通販需要は超加速し、ますます運送業が担う役割は高まっています。しかしそのニーズに逆行するように、トラックドライバーの人材不足は顕著で、特に若者ドライバーの人材不足は、運送業界にとって大きな課題となっています。
そんな状況において運送業界に追い打ちをかけるように、本改正が行われます。この改正により何が起こるかといいますと、トラックドライバーの労働時間の短縮に伴い、国のトラック輸送能力が、2024年には14%、2030年にはなんと34%低下すると言われており、物流インフラが確実に低下することとなります。そういった意味で、私たちも他人事ではないということになります。
私たちはよくamazonなどで翌日配送を利用していますが、これは運送業者やトラックドライバーさんの努力があってこそ成り立つサービスです。こういった迅速な配送が成り立たなくなってしまうかもしれません。これまで翌日に届いていた配送の配送時間が長くなったり、配送遅延が発生したりという事態が起こり得ます。その結果、消費者は商品を迅速に受け取ることが難しくなるでしょう。特に機械や物品の不足が命取りとなるような会社にとっては、今後の物流インフラ低下に対する対応は不可欠となります。
これまでの発注業務の見直し、在庫定数の再検討といった在庫管理の在り方など、4月の施行を見据えた、早期の検討をお願いいたします。
【文責:相澤 秀次/プロフィールはこちら】