大幅減少!「建築着工件数」
最近、建築関係の社長から市場、つまり新築を検討する人の減少を嘆く声をよく耳にします。そこで実際に国土交通省公表の「建築着工統計調査」にて2023年の長野県の着工戸数を調べてみました。
ここ数カ月、前年比で大幅に減少しており、特に「持家」「分譲」がかなり苦戦していることが見て取れます。ここまで市場環境が悪化すると大手メーカーと同じ土俵で戦う中小工務店には厳しい時期となるでしょう。
これほどまでに減少している原因ですが、やはり近年の異常な資材高騰かと思います。資材高騰の影響で家の建築単価が上がっていることが新築を検討する人に伝わってしまい結果として購買意欲が下がっています。資材高騰は一時期の上がり幅からみると多少収まりつつありますが、建設業界では恒常的な人手不足が続き、さらに今年4月からは残業規制が追い打ちをかけるように始まります。様々な要因を考慮すると、残念ながら住宅市場ではしばらく苦難の時が続きそうです。
ではどうすれば良いのかという話ですが、この大きな流れは個々人の努力でどうなるレベルの話ではありません。これまで通りでは生き残れない時代が始まっているのかもしれません。まずは着工数の減少という客観的事実を自分の事として受け止め、自身に関連する市場動向を追い、今後を探ってみてはいかがでしょうか。
【文責:鍵田貴之/プロフィールはこちら】