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令和6年度 介護報酬改定率

令和6年度の介護報酬改定をめぐり、政府は12月20日に全体の改定率を正式決定しました。改定率は+2.04%(内訳:本体0.61%、介護職員の処遇改善分0.98%、光熱費等0.45%)となる予定です。まずまず大きなプラス改定に思えるのですが、その中身を冷静に見ていくと、手放しで喜べる状況ではなさそうです。

処遇改善分の+0.98%は、これまでと同様にそのまま介護職員の給料として払い出す必要があります。光熱費等の+0.45%は、昨今上昇している光熱費等、費用の補てんに充てられるものです。つまり実質的に介護事業所に残るのは+0.61%部分だけであり、前回令和3年度の介護報酬改定率が+0.7%だったことを踏まえると、今回の改定率はさほど大きいとは言えないと考えられます。

また、全ての事業所が今までと同じことをやっていても+0.61%の報酬増を受けられるわけではありません。上位区分の加算や新しい加算も多く予定されているようです。ということは、基本報酬が下がるサービスがあることも想定されます。新しい加算を算定できる事業所は収入が増え、今までと同じ事しか対応できない事業所は収入が減る、といったメリハリの利いた改定になりそうです。

令和6年1月に細かい報酬単価が、そして3月には算定要件(Q&Aや解釈通知)が公表され、全容が判明します。1月に報酬単価が公表されましたら、現状のやり方で介護報酬を計算した場合、令和6年度から月々の売上高がいくらになるかをシミュレーションすることをお勧めします。もし必要売上を確保できない状況になりそうならば、新しく予定される加算等の算定要件を研究し、早めの対策をとっていく必要があるかと思います。

【文責:高橋大輔/プロフィールはこちら

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