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月刊未来経営

電子帳簿保存法の施行

いよいよ令和6年1月から「電子帳簿保存法」が施行される。メール添付で受け取った取引関係のPDFは、紙出力してもよいが、必ずPC内に保存する必要があるなど、実務上すべての企業が本当に対応可能なのかと引っ掛かる規定が混ざりこんでいる。かたやベンダー各社はこれがチャンスとテレビCMを流しているし、銀行などもベンダーと組んでサイドビジネスを展開中だ。

まずこれに対し、過剰に反応する必要はない。現場の税務調査が形式をミスとする否認にこだわって機能するとは思えないからだ。制度が現実に開始し、現場の実務対応が確定したあとに追従しても遅くはない。さらに税務調査がひと回りくらいすると、やっと完全に定着するので、慌てる必要はない。それは令和5年10月からのインボイス制度についても同じことだ。

しかし弊社としては立場的に最初から取り組まざるを得ないため、スキャナ読取り機能などを使い積極的に対応してみた。これが慣れてしまうと、すごく便利だ。
スキャナで領収書などを読み取ると、AIを使い、精度高く情報を整理、仕訳の下準備をしてくれる。しかも同じ店のレシートであれば、「前回は消耗品費にしましたけど、今回はどうしますか」とPCが聞いてくれる。読み込んだレシートは自動で整理し、保存される、探すのも簡単だ。読み込んだ紙のレシートを捨てるのを躊躇するのも最初のうちだけだ。それにデータはクラウド上にあるので、何かの事情で消えてしまうという心配も無用だ。実によくできている。
スキャナ読取りなど、今の財務ソフトの技術を駆使すれば、ベテランの経理のノウハウの相当部分がパソコン内に実装された常態となる。人手不足のおり、ベテランの経理部員が辞めると次の人をどうするかが大きな問題となりそうだが、そのリスクがだいぶ減る。
電子帳簿保存法などに過剰反応は不要だが、AIなど現代のテクノロジーを身近な実務で使うことも悪くない。もしよければ担当者に声をかけていただきたい。

【文責:飯沼新吾/プロフィールはこちら

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