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介護と経営

生産性向上の取組

8月24日、働きやすい職場環境づくりの表彰が行われ、砧(きぬた)ホームが内閣大臣表彰を受けました。この事業者の取組概要の中に「介護現場における生産性向上に資するガイドラインを施設運営のバイブルとした。」とありました。バイブルにするほどのガイドラインはどんなものかと思い調べたところ、厚労省のHPに老健局が作成したガイドラインがあり、石巻市のパンプキン介護センターという介護事業所の取組を紹介する動画もありました。この動画がなかなか面白かったのでご紹介します。

今回は訪問介護にフォーカスしてご紹介します。10週間で介護現場を劇的に変えた取り組みが紹介されているのですが、最初の取組として2週間で、ガイドラインにある3M(ムリ、ムダ、ムラ)、5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)、課題把握シート、因果関係図、業務時間調査を理解します。そして課題解決に着手します。この訪問介護事業所の最大の課題は、サ責がヘルパーの調整に追われ書類がたまっていく一方となり、本来のサ責業務である書類の整理、手順書の作成、ヘルパーの育成、外部との連携がおろそかになっている点でした。例えば、業務のムダとして、従来は現場のヘルパーから「ケアプランにない爪切りを頼まれたがどうしたら良いか」などの問い合わせが頻繁にサ責に入っており、問い合わせ対応に労力を費やしていました。この解決策として予想される問い合わせに対しフローチャート形式の手順書を作成することにより、問い合わせが激減しました。また「心不全の利用者にむくみがあるときは危険信号なのでケアマネなどに知らせる」などをまとめた、個人別疾患シートを作成することにより、ヘルパーの大切な業務の1つである、利用者の状態に対する「気づき」を助長する取り組みも行いました。さらに、ヘルパーは利用者と1対1の孤独な業務のため、定期的にサ責とヘルパーの面談時間を作りました。この事により、愚痴の受け止めとともに事業所の要望を決め細かく伝える場になっているようです。
この動画ではこのような様々な取り組みを生み出す過程や会議の雰囲気がわかります。介護現場の生産性向上の取り組み方の参考になると思いますので、ご覧いただけたらと思います。

【文責:竹内光彦/プロフィールはこちら

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