カーボンニュートラルは経済用語
「カーボンニュートラル」という言葉を耳にしない日はないですが、皆様は日々の経営の中で、これをどのように捉えていらっしゃいますか。
「カーボンニュートラルねぇ。直接関係ないかもだけど、見たところも良いので、ウチも長野県のSDGs推進登録企業となっているよ。まぁできるだけ節電とか、紙を減らすとかは取り組むね。でも環境に良いコピー用紙が600円で、普通のコピー用紙が500円だったら、結局安い方の用紙を選んでしまうな。それに日本は環境先進国だから、そう頑張らなくたって、基本的に本業とは関係ないし…」というのが私の本音でした。皆様はいかがでしょうか。
しかし、このカーボンニュートラルの世界的な潮流がもたらす「破壊力」は、大企業だけでなく、我々中小企業ですら、会社も事業もたちまち吹き飛んでしまいかねないパワーを持っています。例えば2010年くらいに、スマホが出てきて、あれだけ世界を席巻していた日本製のガラケーが一気に消えて、それとともにそこに係る産業が吹き飛びました。今度はエンジン自動車産業などが、それに巻き込まれつつあります。平たく言えば、うちはトヨタとつながっているから安全だとは限らないということです。
自動車産業に限らず、カーボンニュートラルの潮流に乗り遅れている大企業は少なくなく、世界的には周回遅れになっている分野・企業もあります。
しかし一方でこの潮流にのって成長を遂げる分野・企業もあります。わかりやすい例でいえばEV分野がそうですし、洋上風力発電、木造超高層ビル、水素関連産業、プラスチックのケミカルリサイクルなどがそうです。いままで実験室レベルだったものを、コストを劇的に下げ、一気呵成に量産・産業レベルまで引き上げようと世界中が躍起になっています。
この目線で少し自社を振り返り、今、お付き合いしている会社だけで良いのか、成長分野と付き合えないか。付き合う場合、自社をどう変えるべきかなど研究してみてはいかがでしょうか。
(参考図書:超入門カーボンニュートラル 夫馬賢治 講談社α新書)
【文責:飯沼新吾/プロフィールはこちら】