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必ず確認!予実対比の必要性

建設業の年間計画を立てる際には、昨今の原価高騰や業界の特殊事情といった要因を考慮し目標とする利益率を設定します。実際には現場が動いていく中で社長の想定していた利益率と実態がズレていくことがほとんどです。特にここ数年は材料費にしても外注費にしても前例のない程の上昇をみせていることは事実です。現状を素早く正確に把握して次の見積りに反映させることの重要性は以前よりも増しています。

社長が現場に出ていれば現場毎に発生したトラブルがどういった影響を与えているか数値的に分かるかと思います。一方で会社の業態や規模によっては社長が全ての現場の状況を把握することは困難です。その際に予算と実績を対比する習慣が、現場担当者となぜ今回の工事は予算超過しているのか打合せをする土台となります。そもそも受注段階での見積りが原因なのか、現場が進捗する中で発生したイレギュラーなトラブルが原因なのか、予実対比することで見えてくるものがあるかと思います。

多くの経営者が予実対比の必要性は理解しているものの、現実には日々の業務に追われ現場毎の振り返りができない場合もあるかと思います。その場合は次のような考えで負担を減らすことをご検討ください。まず予実対比の対象を一定の現場(例えば請負額100万円以上など)に絞ることです。必ずしも全ての現場で予実対比を行う必要はないかと思います。また対比するための資料の準備手間を減らすため、積算表や見積書の横に実績値をメモ書きするなど簡素化することも有効です。ある関与先では会計システム上で工事原価を現場毎に分けて仕訳入力し、完工後にその現場に関する直接原価を把握できるようにしています。会計システムを活用することで原価集計の2度手間をなくし原価の拾い漏れを防ぐことができます。

予実対比は経営に欠かせない要素であり日常的に実施されるべきものと思います。終わった現場の話ではなく次につなげるために是非定型業務に組み込んでみてください。

【文責:鍵田貴之/プロフィールはこちら

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