fbpx

トピックス

ビジネスレター

総務の達人

時代の流れに沿った人事制度を考える

7月25日付の日本経済新聞に、「みずほファイナンシャルグループ(FG)が役割給を導入」という記事が載りました。これまで年功序列型の色が強かった人事制度を抜本的に見直すというのです。みずほFGはなぜこのような舵を切ったのでしょうか。

その背景の一つには「優秀な専門・若手人材の確保」が挙げられるでしょう。みずほ銀行を始めとする商業銀行は、これまで大量に新卒を採用し、多くの時間をかけてゼネラリストを育成する年功的な人事制度をとってきました。しかし、近年ではデジタル技術に強い人材など、専門性の高い人材を中途で採用する必要性が高まってきています。専門性のある人材を柔軟に受け入れるために、年功要素を薄めるのは避けて通れないとの判断でしょう。

今回、みずほFGが導入する「役割給」とは、簡単にいえば社員が担う役割に応じて賃金を決める制度です。年齢や潜在的な能力ではなく、実際の職務内容を時価評価します。そのため、専門性の高い職務をこなしている若手社員にとっては、給与と仕事内容がつりあっった納得のいく処遇を得ることができます。優秀な若手社員の流出を防ぐためにも効果的な制度といえるでしょう。

さて、貴社においては、時代の流れに沿った人事制度を構築できているでしょうか。中小企業では、職位や賃金の決め方に明確なルールがない、という会社も多いと思います。しかし、みずほFGのように、これまでの慣習を打ち破り、「役割給」のような新しい制度を導入する会社も出てきていることは事実。これからますます人材採用が困難になる時代、「現状維持、なにもしない」というのは大きなリスクです。このニュースレターをきっかけに、一度、自社の人事制度、賃金の決め方を点検していただけると嬉しく思います。

【文責:小倉洋平/プロフィールはこちら

最新記事一覧へ

アーカイブ