fbpx

トピックス

ビジネスレター

介護と経営

複合型サービスの創設

昨年12月20日、2024年度の介護保険制度の改正に向け協議を重ねていた、社会保障審議会介護保険部会は、意見書を取りまとめ公表しました。それを受け、数ある論点の中から今号では、創設が予想される新しい介護サービスについてお伝えしたいと思います。

意見書の中で、新しいサービスについては、「複数の在宅サービス(訪問や通所系サービスなど)を組み合わせて提供する複合型サービスの類型などを設けることも検討することが適当である」とされました。

現時点では新しく複合型の在宅サービスが創設されるという事のみで、指定要件や報酬体系などは一切不明です。しかしこの内容の通り、仮に訪問や通所系サービスの複合型ができるとした場合、現行のサービスで最も近いイメージは、小規模多機能型居宅介護(以下、小多機)からショートステイを除いた形態となるかもしれません。

訪問介護の人材には、介護職員初任者研修修了者などの資格が求められており、訪問介護スタッフを確保することを難しくしています。一方で小多機の訪問サービス担当者にはそれが求められていません。もし、新しい複合型サービスの訪問サービス担当者も小多機と同じ基準であれば、特にデイサービスからの参入障壁はかなり低くなることが期待できます。

長野県内の介護サービス事業所を考えてみても、例えばデイサービス単体では利益を確保することが年々難しくなってきているように思います。新しく創設されるサービスは、傾向として報酬体系が高めの設定となり、早期に開始することで事業の環境を有利に整備しやすいと考えられます。今後行われる令和6年介護報酬改定審議の行方を見極め、必要に応じて早めの行動に移していくことが重要と思います。

参考:小濱道博『2024年介護保険法改正の方向』

【文責:高橋大輔/プロフィールはこちら

最新記事一覧へ

アーカイブ