BCP(業務継続計画)の作成に着手する
去る6月23日、当社では介護経営コンサルタントの小濱道博氏を講師に招き、介護・障害・訪問看護の事業者様を対象とした「BCPの作成ノウハウ」セミナーを開催しました。
実際の事例を交えながら実践的な講義をして頂きましたので、今号ではそのポイントをお伝えします。
意識を高める
(独)福祉医療機構の調査によれば7~8割の介護施設・事業所が令和5年の3月末までにBCPを作成すると回答している一方で、2割前後が「作成のめどなし」と考えているようです。
今現在の時点で考えれば、「BCPの作成に着手すらしていない」という答えが多いのではないでしょうか。
「進め方が分からない」や「BCPの必要性に実感がわかない」、「他の事業所のBCPをコピーすれば良い」と考えている人もいるかもしれません。
しかし各事業所の実情に合ったBCPがないと、自然災害や感染症の発生時に利用者の生活・健康・生命の支障に直結してしまいます。
令和6年4月1日からはBCPの作成・運用が完全義務化されます。
作成には少なくとも半年はかかることを考えると、残された時間は多くはないのです。
BCP策定の意外なメリット
BCPの策定には業務の理解が欠かせません。
例えば自然災害や感染症発生時の職員配置を考えるときに、通常では2人で対応する業務を被災時に1人もしくは1.5人でできないか検討します。
しかしやはり被災時でも2人で提供しなければならないという結論に達した場合、他の業務を見直す必要がでてきます。
全ての日常業務に対して、このような検討を加えていくことは業務の効率化にもつながります。
また、BCP策定の際はBCP委員会を編成します。
委員会は各事業所の管理者や幹部職員で構成されますが、将来の幹部候補を加えることも有効です。
BCP委員会でのディスカッションと共に実践的な人材育成が可能となります。
厚労省HPには介護事業のBCPひな形があります。
小濱氏もまずはそれを使ってBCP作成に取り組むことをお勧めしています。
とにかくまず取り組む、この一歩が重要かと思います。
【文責:高橋大輔/プロフィールはこちら】