インボイス制度対応 その1【売り手としての対応】
ご存じの通り来年の10月から消費税のインボイス制度が始まります。
1年半も先の話ですが、大企業を中心にすでに対応が始まっており、規模が大きい客先から「御社のインボイスナンバーを教えてください」といったお尋ねが来ている方もいます。インボイスナンバーがない請求書などでは仕入控除ができなくなるので、早くもそのフィルターをかけているということでしょう。これについては課税事業者になるか迷っている先はともかく、すでに課税業者のところはインボイスナンバーを獲れば良いだけで、来年の10月からインボイスナンバー入りの請求書を発行できるように、レジや販売管理システムを少し改造してあげれば売り手としての責任は一丁上がりです。
しかしことはもう少し複雑です。実は今年の10月から電子インボイスが順々に社会に実装されます。大企業は、当然この部分で省力化を図るため、できる限りインボイスを電子で取得したがるはずです。そこで仕入先に、「御社からの請求書などは電子でもらえるのでしょうか」と聞いてくると思います。つまり付き合う客先によってインボイスを紙でも電子でも発行できるような対応が必要になるわけです。
販売管理システムを、TKCや商奉行、弥生販売などの大手ベンダーのソフトを使っていらっしゃるところは、今年の10月以降、これに対応するバージョンアップが予定されています。電子でも紙でも所定の請求書などが問題なく発行できるようになるでしょう。
現在、請求書発行を手書きとかエクセルなどで対応されているところは、この際、大手ベンダーの販売管理システムを導入することを強くお勧めいたします。
販売管理システムを、地元ベンダーなどを使って自社開発をされているところは注意が必要です。客先からの電子インボイスを発行して欲しい要求に抗えない場合もあるでしょう。この場合には、大規模な改修が必要です。今からベンダーさんに対応可能か聞いておかれた方が良いかと思います。
【文責:飯沼新吾/プロフィールはこちら】