介護事業経営実態調査
コロナの感染拡大対応に追われ、収益が悪化した状況を振り返る余裕がなかった事業所も多かったのではないかと思います。状況が落ち着いた今、貴事業所の収益状況を再確認してみてはいかがでしょうか。
収益状況を確認するうえで介護事業経営実態調査との比較がお勧めです。この調査は介護報酬改定の前年に行われ、調査結果は報酬改定に影響を与えるほど重要な調査です。調査内容は各事業の平均値が示され収入、給与費、利用者1人当たり収入など経営実態を把握するうえで重要な数値が示されています。今回はデイサービスを例に実態調査値の売上高(介護事業収益)について考えてみます。
売上高を実態調査値(平均値)と比較することにより、事業所の規模が平均と比べはどうなのかがわかります。次に売上高の構成要素を考えます。売上高は単価×客数で計算できます。単価に相当する実態調査値の利用者1人当たり収入、客数に相当する延べ利用者数に着目し平均値と比べどうなのかを把握します。単価が低い場合は介護度が低いのか、サービス提供時間が短いのか、加算がとれていないのかなど分析します。客数が少ない場合は利用頻度、営業日数、新規利用者数、利用停止者数など改善できないか検討します。たとえば、利用頻度を上げるには利用者の趣向を把握しそれに合ったサービス内容を考えるなど、一つ一つの項目の深堀が必要になることと思います。ちょっとしたアイデアで改善できることもあれば、長期的に取り組まなければならない事もあるかと思います。いずれにしろ常に改善が必要です。そのためには平均値と比較することで事業所の現在地を把握しそれに対してどうアプローチするか考えるというサイクルを習慣化させることが重要に思います。
【文責:竹内光彦】