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月刊未来経営

誰かが何とかしてくれない

月刊 未来経営も今号で通算360号。30年間もこの読み物にお付き合いいただき、心より感謝申し上げます。

さて30年間の中に何があったかと言えば、世に失われた30年と言われる時期ではありましたが、連載が始まった平成3年は景気が悪い悪いと言われながらも、昭和バブルのバックファイヤーが色濃く残る時期でありました。その後のITバブルやリーマンショックも経験し、平成24年12月から平成30年10月まで長い景気回復局面もありました。そして消費税は3%から10%まで上昇しましたし、天災に目を向ければ、阪神淡路大震災も東日本大震災もあり、最後にコロナも経験しました。

いろいろ景気や災害、技術進歩に振り回される30年ではありましたが、一貫して言えることは自分の会社のことは誰かが何とかしてくれないということです。

サラリーマンなら上司の決定に従うし、上司はさらなる上司、最後は社長の決定にしたがいます。そしてその責任は最終的に社長が取ります。誰かが決めてくれて、そして誰かが何とかしてくれる生活。それは気楽な生活なのだと思います。

逆に社長はすべてを自分で決める権利があります。やりたいように会社の方向を決めて、何をするか、(逆に言えば何をしないか)を決めて、「他社との違い」を上手につくれば、長期的な利益を、それに多額の役員報酬だって期待できます。ただそれと同時に、自分の会社のことは誰も何ともしてくれません。最終的にはすべての責任を取る必要があります。とても気楽な生活とは言えませんが、それが社長というお立場だと思います。

30年間いろいろな社長さんとおつきあいをさせていただきました。その立場を理解し、かつ楽しんでいる社長さんだけが業績を伸ばしており、逆のケースでは退場を余儀なくされる方が数多かったと思います。

コロナですべての経営者は試練に遭い、そして自分を鍛える経験を積んだと思います。また現在進行中でもあろうかと思います。これが後の経営者の強さになると期待しています。

【文責:飯沼新吾】

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