万が一従業員がコロナウィルスに感染してしまったら
万が一、新型コロナウィルスに従業員が感染してしまった場合の給付について解説します。治療費の自己負担は原則ありませんが、休業中の給付額が異なります。
①業務によって感染した場合は、労災保険の対象となります
感染経路が業務に起因することが明らかな場合や、同僚が複数人感染した、あるいは販売スタッフやバス・タクシーの運転手など顧客との接触が多い業務に従事していて感染してしまったような場合は、労災が適用されます。もっとも、医療従事者等は業務外で感染したことが明らかでない限り、原則として労災が適用されます。労災と認められれば、治療費のほか休業補償として療養期間中1日につき平均賃金の8割の給付が受けられます。
②業務外で感染した場合は、健康保険より傷病手当金が支給されます
業務外の事由により感染した場合は、健康保険から傷病手当金として、療養期間中1日につき概ね給料の3分の2の給付が受けられます。
③その他、労災・健康保険共通の留意事項
上記、休業補償給付または傷病手当金の給付にあたって、保健所から発行される各種証明書等の添付が必要になることがありますので、大切に保管いただくことをお勧めします。
④ワクチン接種により健康被害が生じた場合
ワクチン接種は自由意志に基づくため、業務として行われるとは認められません。健康被害が生じた場合には、健康保険から給付を受けることになります。
発症者の給付以外にも濃厚接触者の休業手当など、微妙な判断が必要なケースが多くあります。具体的なケースについては、当事務所担当までお問合せください。
文責 奥原 真紀子