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施工不備の際の対応

関与先の建設業者の方々におかれましては、日頃から安全に十分配慮し質の高い工事をされていることと思います。ただやはり人がやる仕事ですから長い業歴の中では、施工不備などを指摘する、または指摘されるといったこともあるかと思います。そこで今回は、施工に不備などが生じた際にどういった法律が適用されるのか確認していきます。

皆様が日々使われる契約書などで「瑕疵担保」の文言がまだ使われていませんでしょうか。請負の都度、約款など契約の詳細を確認することはないかと思いますが、実は昨年4月から「瑕疵担保」は「契約不適合責任」へと改正されています。この契約不適合責任の内容が施工不備の際の対応とリンクしてきます。昔から契約書の文言をずっと変えていないといった方は今回の内容を確認し、文言の見直しもお願いいたします。

改正では今までの「隠れた瑕疵(通常の注意で発見できたか)」といった曖昧な不備の基準が廃止され「契約内容に適合しているかどうか」といった双方にとってシンプルな基準に変更されています。不備つまり契約不適合の場合、発注者は以下の対処をできます。

①追完請求

改めて契約内容に合うよう手直し等を請求します。ただしその手直し等に過度な費用を要する場合、請求できません。

②代金減額請求

上記追完請求をしても相当期間内に実行されない場合に行えます。

③契約解除

契約内容の履行が不能である等の一定の場合に行えます。

④損害賠償請求

施工者の故意や過失によって損害が発生した場合にのみ行えます。

 

改正に対応した契約書のひな形が国土交通省から建設工事標準請負契約約款として公開されています。工事途中で契約解除になった場合の部分的支払い義務など、今回の内容以外でも問題となっていたケースが細かく定められており参考になる部分も多いので今一度確認してみてください。実務的には、施工不備があればその時々の話し合いでの解決となる場合が多いかと思いますが、今回の内容の整理ができているといざという時の対処もスムーズかと思います。                                                             <文責:鍵田 貴之>

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