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紙の約束手形 全面廃止の方向へ

建設業や製造業で古くから続く支払手段として手形取引があります。この手形取引ですが、近年の支払手形残高は約25兆円と、ピークだった1990年(107兆円)の23%程度にまで減少しているそうです(法人企業統計調査より)。また、急激に減少してきた流れに加えて、経済産業省は2026年を目途に手形の利用廃止の方針を打ち出し産業界や金融業界に働きかけ始めているとのことです。

そもそも手形とは

約束手形のメリットはやはり支払いを先送りできる点にあります。特に客先から支払いをうけるまで時間がかかる建設業などでは今も約束手形が使われやすい状況にあります。

約束手形の問題点

約束手形には次のような問題点があるとされています。

  1. 取引先に資金繰りの負担を求める取引慣行・・・現金振込の支払期日に手形が振り出された場合、平均して約150日間入金が先延ばしされることとなります。その間の資金繰りは取引先が負担することになります。
  2. 取引先が利息・割引料を負担する取引慣行・・・多くの取引で利息や割引料は振出人ではなく、受取人が負担する構造となっています。
  3. 「紙」を取り扱う事務負担・リスク負担・・・「紙」でやりとりする結果、印紙代や郵送代など取引の過程で無駄ともいえるコストや時間が費やされています。

今後の流れ

このように、振出人のメリットが多く、なかなか廃止が進んでこなかった約束手形ですが、今後廃止の流れが加速してくると思います。資金繰りの多くを手形に頼っている場合、電債への切り替えや、振込への対応に伴う一時的な資金繰りなどが必要になるかもしれません。5年後の廃止目標に備えて準備をお願いします。

<文責:保苅 征秀>

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