新型コロナウイルスワクチン接種業務の報酬
新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種が始まりました。今回は、ワクチン接種業務に関して受領する報酬について気を付けていただきたいポイントをご説明します。
【社会保険扶養の範囲の考え方】
個別接種・集団接種を問わず、ワクチン接種業務による収入で結果的に130万円以上となった場合においても、それによる扶養の取り消しは行われないことになりました。
クリニックを通じて追加手当等を支払う場合には、ワクチン接種に関する報酬であることが明確になるように、明細に「ワクチン接種手当」など新たに項目を設けての支給をおすすめします。
【集団接種業務に係る報酬の受け取り方】
- 職員個人が直接報酬を受け取る場合
2か所以上から給与収入を受けることとなりますので、普段は年末調整で納税が完結する職員もご自身で確定申告をしていただく必要があります。 - クリニックでまとめて受け取り、個人へ支払う場合
年末調整で完結しますので、本人は確定申告をする必要がなくなります。給与と賞与どちらでの支払も可能ですが、給与として支払うと社会保険の変更手続や管理が必要となりますので、賞与として支払うことをおすすめします。
クリニックとしては、社会保険料等の事業主負担分が、支払った報酬分増加します。また、受領した委託費は消費税の課税対象となる点にもご留意ください。
個別接種を受託した場合、通常の診療時間内での実施では時間外(残業)手当は生じないと思いますが、お昼休みや診療時間後に実施する場合などでは、手当をどうするかを状況に応じて検討する必要が出てきます。判断に迷う部分がありましたら、担当者までご相談ください。
参考:厚生労働省保険局保険課 令和3年4月26日事務連絡 「健康保険の被保険者認定における新型コロナウイルスワクチンの接種業務に従事したことによる一時的な収入増加の取扱いについて」
(文責:望月 美智子)