居宅介護支援事業所の基本報酬
居宅介護支援事業所の基本報酬はケアマネ1人あたりの取扱件数が40件を超えると減額される仕組みとなっています。今回の改正で「ICTの活用」“または”「事務職員を配置している場合」、その上限件数を5件増やし45件未満までは減額されないこととなりました。
ICTの活用とはどんなものを使えばいいのか?
3月16日に公表された解釈通知によると、業務の負担軽減や効率化に資するものとしています。具体的には「利用者の情報を共有できるチャットアプリがインストールされたスマホの活用」「訪問記録を音声入力等で随時記載できるソフトを組み込んだタブレットの活用」を例に挙げています。ただし厚労省が定めた「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱のためのガイダンス」等を遵守することとし、個人情報の取扱に関する規則を作成し公表する等が求められます。
事務職員はどの程度、配置すればいいのか?
同一法人内の配置なら非常勤でもOKですが、ケアマネ1人あたり事務職員月24時間以上の勤務が必要です。
上記の通りそれほど高いハードルではありません。ただし現状では業務量的に40件担当することは難しく、45件となると至難の業と言えます。ではなぜ厚労省は今回の改正をしたのでしょうか。ICTのフル活用、事務職員がケアマネ業務をカバーできる体制を整えるなどにより「45件担当できるまで業務効率を上げてください」というメッセージのように思います。今回の改正では、このほかにプラス材料として単純に基本報酬が1.8%増加しました。これらの改正により、業務効率を上げて45件担当できる体制ができれば、唯一平均利益が赤字であった居宅介護支援事業が黒字化することと思います。
【文責:竹内光彦】