入学に関しての寄附金に注意
新年度を迎え、入学シーズンとなりました。今回は、節税方法の1つとして多くの先生方が活用している寄附金控除のうち、学校の入学に際して行うものには注意が必要ですので解説いたします。
国や地方公共団体、特定公益財団法人、学校法人などに対し寄附金を支払った場合には、「特定寄附金」として所得税の寄附金控除(所得控除)を受けることができます。
ただし、学校の入学に関してするもの、寄附をした人に特別の利益が及ぶようなものなどは、「特定寄附金」には該当せず、控除の対象とはなりません。
学校の入学に関してする寄附金とは、「入学願書受付の開始日から入学が予定される年の年末までの期間内に納付したもの」をいいます。つまり、この4月に入学した大学に令和3年中に寄附を行うと、入学と相当の因果関係のあるものに該当し、控除の対象外となってしまう可能性が高いということです。
学校への寄付というと、無条件に寄附金控除の対象となるような気がしますが、対象外となる場合があることに注意が必要です。
まぎらわしいのですが、入学年の学校に対する寄附金であっても、入学決定後に募集の開始があったもので、新入生以外の在校生や卒業生等と同一の条件で募集されるものなどは「学校の入学に関してする寄附金」から除かれ、寄附金控除の対象となることもあります。その場合、パンフレットなどに記載があるかと思いますが、条件を満たしているか判断するのは税務当局であるため、慎重に確認する必要があります。
税の優遇措置を活用し、寄附の負担を少しでも減らすために、寄附を予定されている場合には事前に担当者にご相談いただければと思います。
(文責:望月 美智子)