資金調達の方法について
建設業者にとって資金繰りはとても重要な要素となっています。今回は建設業界の特徴を踏まえ、いくつかの資金調達方法についてみていきたいと思います。
まず建設業界の特徴としては、支払いが先行する一方で工事の開始から入金されるまでに時間がかかること、その金額が大きくなりがちであることが挙げられます。そのため工事を受注してから完成し入金されるまでの間、銀行から短期的な融資を受けて支払いに充てることが多いかと思います。最近ではこれ以外にも、「ファクタリング」や「立替サービス」といった調達方法がでてきています。
銀行などの金融機関
まとまった資金の調達ができる一方、決算書・試算表の提出や審査に少し時間がかかるため余裕をもって交渉する必要があります。また一般的に担保や連帯保証人が必要で、金利手数料は1~3%程度かかります。
ファクタリング
ファクタリングとは手持ちの債権(完成工事未収入金)をファクタリング会社に売ることで本来の入金日よりも前に代金を受け取ることができるサービスで、申し込みから入金までの日数が短いのが特徴です。ただし手数料が非常に高く(10%~20%もかかります)本来の入金日までの期間が長ければ長いほど入金される金額が少なくなってしまいます。
立替サービス
最近出てきた新サービスです。建設業者向けのサービスで、建設会社、協力会社、資材会社それぞれが登録を条件に手数料率1%で利用できるようです。建設会社は工事の完成までにかかる支払負担を軽減することができ、下請け企業などは建設会社からの未回収リスクや与信管理から解放されるとのこと。まだ始まったばかりのサービスですが、大手金融機関等が連携していることから今後一定の利用が見込まれます。銀行からの借入利率が高い場合やファクタリングを利用しているのであれば利用を検討してみてもよいかもしれません。(詳細は「ランドデータバンク」で検索を)
<文責:保苅 征秀>