令和3年介護報酬改定の動向 その3
BCP
高齢者が利用者である介護事業所は今回のような感染拡大時や、その他自然災害時においても必要なサービスを安定的・継続的に提供することが求められます。そこで、このような事態でも業務を継続できるよう事前に委員会の開催、業務継続計画(BCP)の策定、それに対する研修および訓練等が全事業者に義務付けられることになりました。人手不足の介護事業所にとって業務負担が増える厳しい改正となりましたが、万が一を考えると日ごろからの準備は大切なことと思います。3年間の準備期間があり完全義務化は2024年度からとなります。
Web会議
このように介護事業者は業務量が増える一方ですが、業務量が減る改定も若干あります。運営基準や加算の要件等で実施が求められている各種会議について、医療介護関係者のみで行われる会議は原則Web会議が認められます。利用者等が参加するものについても同意を得ればWeb会議が認められます。ただし利用者の居宅を訪問して行われるものは除かれます。
署名押印の省略
従来は署名押印のため「職員が帰宅途中に利用者宅を訪問」といったケースもあったかと思います。今回の改正ではケアプランや重要事項説明書等について電磁的記録での対応が原則認められ、署名押印も不要となります。ただし署名押印の代替手段が必要になり今後Q&A等で明らかになるものと思います。
書類の保存
書類棚で一部屋埋まってしまう事業所もあるかと思います。今改定では諸記録の保存、交付等について原則電磁的な対応が認められることになりました。ただし、その範囲は今後明確化されるものと思います。
【文責:竹内光彦】