令和3年度介護報酬改定の動向 その2
介護給付費分科会は1月18日に4月から始まる新たな介護報酬改定案を公表しました。この事により新たな報酬単位、加算の算定要件などが明らかになりました。今後のスケジュールは2月に全国介護保険担当課長会議により解釈通知が発表され、3月にQ&Aが発表されれば、ほぼ全容が明らかになります。
今改定では、自立支援、重度化防止に対応した加算が多く見受けられます。たとえば次の加算が挙げられます。
デイの入浴介助加算
新たな加算として(Ⅰ)40単位(Ⅱ)55単位に分かれました。従来相当の(Ⅰ)は従来と比べると10単位引き下げとなります。(Ⅱ)については、デイでの入浴を通じて「利用者自身が自立してお風呂に入る」ことを目指したサービスを提供する必要があります。
科学的介護の新加算
エビデンスに基づく科学的介護の基盤としてデータを集めたい厚労省は、この加算を新設しました。ADL、栄養状態など利用者の心身の状況等を厚労省へ提出することにより加算が取得できます。たとえばデイの場合、科学的介護推進体制加算が新設され40単位加算されます。
ADL維持等加算
自立支援、重度化防止の取り組みを評価するこの加算が、 (Ⅰ)30単位、(Ⅱ)60単位と従来の10倍の単位数になりました。要件も利用者総数20名以上から10名以上に緩和するなどこの加算の利用促進を図っています。
また、感染症への対策資金としてすべての基本料が0.1%プラスされます。ただし、4月から9月までの半年間限定措置となります。
このように厚労省は、データを集め分析し現場に活かす科学的介護を今後進めていきたいものと思われます。
【文責:竹内光彦】