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月刊未来経営

DXという飛び道具

経営者は自分の会社の成績を伸ばすために常に鼻をきかせています。

その経営者の鼻にものすごく食欲をそそる匂いで届くのが、「飛び道具」の匂いです。それを導入すれば、すべてが解決するかのような万能感があふれた感じがするモノでもあり、逆に導入しなければバスに乗り遅れるかのような危険な香りも含んでいるモノでもあります。

一昔前の横綱は「AI(人工知能)」でしょう。「サブスク」という言葉も「飛び道具」の香りを放っていました。

さてこれらの「飛び道具」ですが、結論からすれば、単純にそれを手に入れただけでは、十中八九いや100%儲けることはできないので、儲かるまでには並々ならぬ工夫が必要だし、また手に入れなかったとしても、明日から大変なことになることはありません。

その理由を一言でいえば「経営はそんなに単純ではない」ということです。商売の究極の目標は長期的な利益をもたらす差を作ることにあります。そこで多くの会社が飛び道具を手に入れれば「差の要素にならない」ことは明白ですし、経営は複雑なので、その飛び道具が、自社の経営の文脈に合わないとなれば、むしろ重荷となることもあります。つまり入れるとしても「戦略が先、飛び道具は後」、簡単に手を出すと、逆にひどい目に合うものなのです。

さて今の飛び道具と言えば何と言っても「DX」です。これはどうでしょう。

全くの私の「勘」ですが、この飛び道具は先ほどの結論とは真逆で「あまり考えずに手に取っていじってみた方が良い」と思っています。理由はいくつかあります。

まず安いです。IT系飛び道具は安くても数千万でした。でもZoomもチャットワークも年間2万円しません。使いにくいならば捨ててしまえる値段です。

また導入にあたり組織体制にも影響を及ぼすケースもありますが、これもコロナという特殊環境下で、従業員の理解も得やすく、「試験導入」しやすいと思います。

もう一つはコロナ禍で、多くの企業が始めて社会的なインフラになりつつあることです。つまりこれを手に入れても究極の差をつけることはできないけれど、手に入れないと様々な点でバスに乗り遅れる可能性が高いものであるからです。

(文責:飯沼新吾)

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