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月刊院長先生

患者さまの権利と義務 ~権利編~

激動の2020年も終わりを迎え、新しい年が始まりました。節目となるこのタイミングで先生が目指す医院の姿を改めて考え、スタッフや患者さまに共有してみてはいかがでしょうか。

その一つの視点として、「患者さまの権利と義務」の宣言を紹介いたします。患者さまの権利に関しては、1981年に世界保健機構にて「リスボン宣言」が採択されました。その宣言を参考に、多くの医療機関が自院の基本方針を作成し、院内やHPなどに掲げています。

 

長野県内の社会医療法人が経営するA病院の例を抜粋してご紹介します。

1.公平な医療を受ける権利

患者さんは、どのような病気であろうと、また年齢、性別、人種、支払能力などに関わらず公平で差別のない医療を受ける権利があります。

2.尊厳が保たれる権利

患者さんは、人間としての尊厳や価値観、信念、宗教などに配慮された医療を受ける権利があります。

3.安全な医療を受ける権利

患者さんは、医療事故や院内感染の発生防止及び、院内の保安管理など安全に配慮された医療を受ける権利があります。

4.十分な説明を受ける権利

患者さんは、ご自身の医療について、その目的・方法・内容・危険性・予後・病状・経過などについて患者さんに合った方法で分かり易くて十分な説明を受ける権利があります。

5.自己決定の権利

患者さんは、医療者からの説明を受け納得した上で、ご自身が医療を受ける権利、あるいは拒否する権利があります。

 

この他にも他の医師の意見を聞く権利、情報を知る権利、プライバシーが守られる権利、意見や考えを述べる権利、不快が和らげられる権利が定められています。

患者さまの権利を掲げることは、医療機関が果たすべき役割を明確にし、その実現に向けて医院が一丸となることに繋がります。日本医師会HPのリスボン宣言を見ながら院内研修などで自院が大切にしたい部分を話し合ってみてはいかがでしょうか。

(文責:望月 美智子)

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