強みを活かす体制構築
皆様はコンサルタントと聞いてどのようなイメージを持たれるでしょうか。先日、ある関与先でなるほどと考えさせられるコンサルの方とお会いする機会がありました。
私がお会いした方は、工事に関する専門的知識によって大規模工事の企画・立案をする建設コンサルタントではなく、中小企業の経営サポートを掲げる個人事業主の方でした。その方は経営サポート(コンサル)といって口を出すだけではなく、毎月関与先の事務所に泊まり込みで、営業計画の検討、経営数値の管理、果ては実際に取引業者を呼んで打合せといった実務を担っていました。関与先の社長も全幅の信頼を置き、裏方作業はすべて任せて、自身は施主さんとの打合せに集中できているとのことでした。
今回のケースはコンサルというよりは、管理業務の外注といったほうが正しいでしょう。報酬は高額ですが、他の業者間の取引相場も熟知した専門家に取引業者との打合せ等を任せることができ、社長自身の得意分野を活かせる体制が構築できていることはこの関与先の強みであると感じました。
独立して開業する方のなかには、営業から見積、設計、施工まで膨大な業務をすべて自社で管理する方が多くいらっしゃいます。しかし、社長が得意な分野、力を入れたい分野で能力を発揮しきるためには、割り切って管理自体も外注してしまうのも1つの戦略なのかもしれません。最近は現場監督としての業務のみを受注する業者も存在しますし、管理ばかりではなく給与計算や会計業務といったコアとなる業務以外の外注化も工夫次第で可能かと思います。
東日本建設業保証は管轄内での1人当たり付加価値は長野県が最低というショッキングな調査結果を公表しています。付加価値を高めるためにも、自社でしかできない業務を洗い出し、強みを存分に発揮できる環境の整備をご検討ください。
<文責:鍵田 貴之>