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口腔ケア

9 月14 日に行われた介護給付費分科会によると、介護保険の施設での口腔衛生管理が必要と診断された入所者のうち、歯科専門職などに管理された場合と否かで1年後に体重(BMI)が減少するリスクは2.2倍、おなじく肺炎が発症するリスクは3.9倍の差が出るという結果でした。口腔ケアは健康と大いに関係があると言われていますが、ここまで有意な差が出るのには正直驚きです。このような結果を踏まえると、口腔ケアは利用者へのサービス向上はもちろん、利用者が入院し報酬減額リスクを低減する意味でも重要なサービスの一つと言えます。

 

通所系サービスでは利用者のうち歯科医師により歯科受診の必要ありと診断された利用者の割合は59.1%に上ります。しかしながら通所系サービス事業所で口腔機能向上加算を算定している事業所の割合は12.2%と低調でした。その理由は「必要な利用者の把握が難しい」「利用者(家族)の同意を得ることが難しい」「算定を支援してくれる歯科医療機関がない」といった加算に対して消極的な意見が目立ちました。

 

口腔ケアを行う上で施設、通所サービスともに訪問診療を行っている歯科医療機関との密接な連携が重要になります。施設では歯科医療機関の訪問診療などを行うことにより充実した口腔ケアの提供ができます。通所サービスでは連携により利用者(家族)に対し口腔ケアの必要性を説明しやすくなることと思います。歯科医療機関にとっては患者となる可能性がある利用者と接することができますから、利用者を含めた三者にとってメリットがあると思います。

 

【文責:竹内光彦】

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