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兼業・副業がもたらす思わぬ効果

先日プログラミングの仕事をしている知人から、本業とは別に自分の特技と趣味を活かして、オンラインサロン(WEB上の月額会員制サイト)の運営を手伝っているという話を聞きました。彼いわく「小遣い稼ぎになるし、様々な人とのつながりができ、オンラインサロンでの経験が本業でも大いに役立っている」と語ってくれました。最近では、本業の合間にウーバーイーツやクラウドソーシング(WEB上でデザインや翻訳など様々な仕事を委託することができるサービス、筆者も以前原稿の校正を依頼したことがある)で働く人も増えてきました。

 

国が進める働き方改革のなかでも、副業や兼業が新たな働き方の在り方として、幾度と議論されています。大企業では、ロート製薬が先んじて副業を解禁したことは何度かメディアにも取り上げられました。ではなぜいま副業や兼業が注目されているのでしょう。それは、副業などが新たなアイデアやイノベーションにつながると考えられているからです。

 

同じ業界にどっぷりと浸かっていれば、確かに専門性は高まるかもしれませんが、業界の常識にとらわれてしまい、思い切ったアイデアを発想することは難しくなります。実は新しいアイデアとは、何もないゼロから生み出されるものではなく、自分たちの業界の外に転がっているものなのです。例えばトヨタのジャストインタイムシステム(※)が、当時トヨタの工場長であった大野耐一が、スーパーマーケットの在庫管理手法から着想を得たというのは有名な話です。クロネコヤマトの個人宅配は「牛丼の吉野家」を参考にしたといわれています。

前述のロート製薬社長の山田氏が「会社の枠を超えて培った技能や人脈を持ち帰ってもらい、ロート自身の多様性を深める狙いがある」と述べているように、業界の常識にとらわれない様々な価値観を受け入れ、それを融合させることがイノベーションの源泉となるのです。

※ジャストインタイムシステム…必要な物を必要な時に必要な量だけ供給、在庫するトヨタの生産管理システム

(文責 髙山 正)

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