完了検査・適合証明を「柔軟に」
コロナウイルスの影響で建材や住宅設備の納品が遅れ、工期が延びる事態が発生しており、関与先様からも実際に影響がでているという話を聞きます。工事完了が遅れれば当然代金の回収も遅れ、中小企業にとっては資金繰り悪化が問題となりそうです。そんな事情もあり2月27日に国土交通省住宅局から各建築行政機関に向け、完了検査の円滑な実施について通知がでました。
【国住指第3960号 抜粋】
1.軽微な変更に該当する場合は、(中略)変更内容が記載されていることを確認の上、完了検査を速やかに実施してください。
3.住宅の建築工事の場合、確認済証の交付を受けた内容から一部の設備等がないことをもって、「住宅」として工事が完成していないといった扱いをすることのないよう、柔軟に対応してください。
上記通知により、住宅については、トイレ、システムキッチン、ユニットバス、ドア等が未設置の状態でも完了検査を実施でき、住宅ローン等に必要な適合証明書の取得もできるようになりました。もちろん施主側の承諾が条件ではあるものの、生活に欠くことのできない住宅設備がない状態で「完成」というのはかなりの異常事態に思えます。
ウイルスの終息が見えず、中国に限らず各国が入国規制している状態では今後も建材や設備の納入への影響が続きます。しばらくの間は、施工業者間でも工程が前後するなどスムーズにいかないケースが発生するでしょう。まずは自社材料の納入時期に問題がないか確認が必要です。納期の遅延があれば、代替策の検討をしつつ取引業者への早めの連絡が大切かと思います。特に元請として工事を請け負っている場合には、今まで以上に全工程の綿密な把握や施主への丁寧な説明が求められそうです。
<文責:鍵田 貴之>