社会福祉法人 若竹大寿会の業務改善 その1
2月19日に首相官邸で全世代型社会保障検討会議が行われました。この日は介護サービスにおける生産性向上について議論され、AI、ICTなどを活かした業務の効率化とともに業務改善の成功例も紹介されました。
特養など施設の人員配置基準は3対1(利用者3に対し職員1)ですが、実際の平均的な人員配置は2対1でないとサービスの質を担保できない現状があります。この会議では2.5対1を実現している横浜市の若竹大寿会などの取り組みが紹介されました。
若竹大寿会は2016年から業務改善に取り組んでいます。それまで職員は多忙を極め疲弊し退職者が出かねない状況にありました。危機感を感じた理事長は全職員が2年以内に負担軽減を実感するための業務改善を決意しました。理事長は現場主導で業務改善を行う方針を打ち出し、プロジェクトメンバーを募集した結果9人の若手職員が参加しました。このプロジェクトはコンサルタントもアドバイザーとして参加し、トヨタの生産方式を取り入れ「ムダ・ムラ・ムリ」を徹底的になくすものでした。この結果2017年には7事業所合計で月1,468時間、9名分に相当する労働時間の削減に成功しています。
昨今の人手不足などにより職員が疲弊している事業所は多いことと思います。経営者自らも現場に入るため経営者も疲弊している場合もあります。その流れを止めるには、どこかで経営者自らが本気で改革を行う姿勢を示し行動することだと思います。
次回は若竹大寿会の具体的な取り組み内容をご紹介したいと思います。
【文責:竹内光彦】