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パワハラが生産性を落とすワケ

山中で突然クマに出会ったことを想像してみてください。きっと、あなたの心拍数は高まり、血圧が上がり、興奮から鼻息は荒くなることでしょう。このように、クマに逢うことはないにしても、極度の緊張状態に置かれると、人は誰もが似たような反応を示します。このような外部からの脅威に対し、身体が警戒するシステムのことを「闘争・逃走反応」といいます。
脳の扁桃体は危険を察知すると、ストレスホルモンとアドレナリンを副腎から分泌します。それにより、戦うにせよ、逃げるにせよ、血中のエネルギーを必要な筋肉に行き渡るようにします。余計な情報は情報はすべてシャットダウンし、全神経を目の前の脅威に集中させるのです。このような反応は、太古の昔、人類が外敵から身を守り、生き残るために身につけた本能でした。ところが現代の社会においては、この「闘争・逃走反応」はかえって弊害となります。

もし、あなたが脅威に感じている上司から、高圧的な態度であなたの仕事にケチをつけてきたり、怒鳴りつけられたとしましょう。あなたの仕事が皿洗いのような単純作業であれば「闘争逃走反応」により、あなたは目の前の皿に意識を集中し、大慌てで洗い物を終わらせるかもしれません。しかし、あなたがコピーライターで、顧客の心を動かすようなキャッチコピーを考えていたとしたらどうでしょう。あなたの頭は真っ白になり、コピーどころではなくなることは、想像に難くありません。思考は狭くなり、洞察力や創造性は著しく低下します。相手を恫喝し、仕事をやらせるという戦略は、むしろ逆の効果を招くのです。

来年4月から、パワハラに関する法律が強化されます。パワハラが倫理的な意味からも社会的な問題となっていることは周知の事実としても、それだけでなく、現代のマネジメントにおいてパワハラは、社員の創造性を低下させ、生産性を大きく落としてしまうのです

(文責:髙山 正)

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