深刻さ増す訪問介護ヘルパーの高齢化
介護職員の高齢化は、介護現場で働く職員の多くが感じていることと思います。そんな中、全労連は2018年10月~2019年1月にかけて介護労働実態調査を行いました。この結果によると、介護の現場に若い訪問介護ヘルパーがほとんどいない実態が改めて浮き彫りになりました。
下表のとおり20~30代の訪問介護ヘルパーは全体の7%にも満たない割合で、70代の7.5%を下回る結果となっています。
また、同調査では人手不足の影響で「予定外の訪問が入る37.6%」「事務的な業務ができない27.1%」「疲れがひどく残る20.5%」など人手不足のしわ寄せが職員に及んで悪循環になっていることがうかがえます。人手不足の原因は「賃金が低い52.4%」「収入が安定しない33.2%」など待遇面が大きなウェイトを占めています。
さらに、利用者などからセクハラを受けた人は7.7%で、相談しても変わらないと回答した人は65.5%でした。
ただし、「介護の仕事をやってよかったと思う人は82.4%」にも達しており多くの訪問介護ヘルパーのたちは、仕事にやりがいを感じています。
このような状況をなんとか改善しない事には訪問介護の未来は厳しくなります。たとえば、報酬単価が高い身体介護を中心としたサービスにシフトし、さらに、特定事業所加算、処遇改善加算などの加算を取得します。この事により、時給2,000円から2,500円の実現を目指します。このためには、訪問介護ヘルパーも介護福祉士の取得が必須になります。このように事業所が将来のあるべき姿を想定し、どうすればそこにたどり着けるかを考えることにより、職員が夢や希望を持てる環境が生まれるのではないかと思います。
訪問介護ヘルパーの年齢割合
20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 |
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1.0% | 5.9% | 20.2% | 35.3% | 30.2% | 7.5% |
全国労働組合総連合 介護労働実態調査より
(文責:竹内光彦)