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人生100年時代と金

「夫婦揃って65歳から30年生きると、老後資金が総額で2,000万円不足する」との試算を発表した金融庁の金融審議会報告書が話題を呼び、さらに麻生金融担当大臣がその報告書を受取らないと言い出し、混乱状態に拍車をかけたことは耳目に新しいと思います。
公的年金だけでは、お金が間に合わないのは自明の理で、2,000万円はちょっとインパクトがあったのではと思いますが、「公的年金だけでは実は足りないのですよ」と言われて心底ビックリする人はいないと思います。
それよりもそんな分かり切った情報をなぜ「今」出したのかです。それは年金財政を破綻させないためには、10月(はもちろん遠くない将来さらに)消費税を上げることはやむを得ないと考えさせる心理的誘導ではないかというのは考えすぎでしょうか。

またもう一つの見方としては労働力不足の昨今、65歳、70歳過ぎても働くこと、またその人たちを受け入れる職場づくりの議論に対する誘導とも考えられます。2,000万円も金が足りないなら働いたらどうですかというわけです。
もし金融庁の思惑が消費税の話であったとすれば何とズルいやつらだと思いますが、シニアの雇用に関することであったとすれば、(政府の責任問題はともかく)これは素直にのっても良い議論でないかと思うのです。
人生100年時代だとして、老人の3K(健康・金・孤独)問題と、人手不足などの社会問題を一気に解決する悪くない手だと思いますがいかがでしょうか。
65歳で定年、下手したら55歳で役職定年だと言われて、その後の茫洋たる30年~40年を着々と減っていく貯金とにらめっこしながら不安や孤独と一緒に暮らすのならば、社会と関わり、小遣いぐらい自分で働いて稼いだほうが、よっぽどましではないかと思うのです。

さて、そう考える人がたくさん出るとしたとき、自分自身、自分の会社、あるいは新しいビジネスなどで、いろいろチャンスも考えられませんか。

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