企業は休暇にどう対応すべきか~休暇の功名
5月の超大型連休はどう過ごされましたでしょうか?それとも仕事で休みは取れなかったでしょうか?今年度は5日の有給休暇取得義務など、なにかと休暇に関して話題になっています。ある製造業を営む社長は、有休を5日連続で取得させるように計画を組んだそうです。土日を合わせると、休日は7日にもなります。
その社長は、「連休にすることによって社員もリフレッシュできるし、休んでいる間、仕事が滞りなく進められるよう段取りを組んだり、他のメンバーに仕事を引き継いだりと、業務の効率化を図れるまたとない機会だ」と、その理由を語ってくれました。思い切った取り組みのように聞こえるかもしれませんが、案外、真理を突いているかもしれません。
ハーバード大学ビジネススクールのレスリー・パーロウ教授は、休暇とは最も無縁と考えられている業界のひとつ、コンサルティング会社を対象に「計画休暇」を導入させました。
そもそもコンサルティング会社に勤務する社員に、休みという概念はありません。休日でもメールのチェックから電話対応など、完全に休めることなど滅多にありません。しかし「計画休暇」は、一切の仕事をやらない日を定期的に設けるという試みです。もちろん社員は猛反対しましたが、いざ実施してみると、社員の満足度に対するあらゆる指標が20%近く向上し、それだけでなく、顧客からの評価も上がったのです。その結果を受けて、同社が全世界的に「計画休暇」を導入すると、勤務時間は減ったにもかかわらず、なんと、会社業績は向上したのです!
その理由として考えられたのは、業務効率が非常に高まったということです。休日を取得するために、無駄な仕事を廃止したり、そもそも仕事のやり方を一から見直したりしたのです。それだけでなく、どちらかというと一匹オオカミ的であるコンサルタントが、業務効率化のためチームとより協力するようになったというのです。またリフレッシュすることで、仕事に対するパフォーマンスが高まったこともわかりました。
たしかに、もともと長時間労働のコンサルティング会社だから、上記のような結果につながったのかもしれませんが、それでも検討の余地は十分あるのではないでしょうか。
(文責:髙山正)