介護者支援の視点
家族を介護している人はおおよそ700万人おり、ここ15年間で1.5倍近く増加しています。年齢構成は30代以下が1割、40~50代が4割、60代以上が5割という割合になっています。またその性別は男性が4割で増加傾向にあります。介護者のうち63.7%の人が精神的負担を感じ、48.8%の人が身体的負担、44.5%の人が経済的負担を感じています。
このような状況の中で年間約10万人が介護を理由とする離職を余儀なくされています。離職後は収入減少に加え、社会とのつながりが希薄化することにより、経済的負担に加え精神的負担も増加しているようです。
このような家族の負担を考えると、介護事業所も介護者支援に対する視点は重要なことと思います。
〇介護ストレス緩和の視点
連絡帳によるお悩み相談、日々の送迎で介護をねぎらう一言、家族の状況、状態(疲労度)を察しての気遣い共感、必要に応じてほかの親族への説明会の実施など身近な相談相手の機能を考えてはいかがでしょうか。
〇孤独感の解消
家族会、行事のお誘いなど同じ境遇の方と会話する機会を設けることにより、孤独感を軽減させる仕組みを考えてはいかがでしょうか。
〇専門家としてのアドバイス
介護計画の説明、おたよりによる介護ノウハウ情報の提供など専門家としてのアドバイスを家族も期待していると思います。
〇保険外サービスの提供
仕事を続けられるなら、多少費用が多くなっても保険外サービスを望むケースはあるのではないかと思います。
資料:厚労省「国民生活基礎調査結果概要」「介護保険事業状況報告」総務省「社会生活基本調査」「就業構造基本調査」
【文責:竹内光彦】