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安 全 第 一 ~ヒューマンエラーの心理学~

『安全第一』今も昔も変わらず建設現場で毎日のように目にする標語かと思います。安全関連の法律が整備され、建設現場における機械や設備の安全性能が向上しているおかげもあり、建設業における労働災害は50年前と比較しておよそ8割減少しています。それでも依然として建設業は労働災害が多い業種であることには変わりないようです。

厚生労働省によると平成29年の建設業における死傷事故発生原因は1位 墜落、2位 はさまれ・巻き込まれ、3位 転倒となっています。特に目新しいものではなく、現場における対策や作業員の意識の在り方で防げたはずのヒューマンエラーを原因とした事故が大半だそうです。頻発する事故の原因を経営者が理解しておくことが企業としての労働災害対策において重要かと思います。

労働者健康安全機構の高木センター長は、ヒューマンエラーの中でも特に気をつけたい原因として「場面行動本能」をあげています。これは、瞬間的に注意が一点に集中して周りを見ずに行動してしまうことを指します。小さな子供が道路の反対側にいる母親を見つけていきなり道路に飛び出すといったような本能です。これが建設現場にも当てはまり、脚立の上でバランスを崩した作業員が材料を離さないために後頭部を強打する事故や工具を落としそうになり咄嗟に工具をつかもうと足場から身を乗り出して墜落する事故などが挙げられます。

労働災害の対策では、企業のトップが絶対に労働災害を出さないという意識を強く持ち、従業員に継続的に現場のルールや事故への対策を周知することが大切かと思います。「人はエラーをするもの」という前提にたち、その上で現場に危険な状況が隠れていないか今一度考えてみてはいかがでしょうか。

参考:厚生労働省HP,戦略経営者 2018年4月号

<文責:鍵田 貴之>

 

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