電子カルテの進化
日本経済新聞朝刊(H28.12.5付)によると、紙カルテを複合機でスキャンし、ボタンを一つ押すだけで、自動的に電子カルテの患者情報にひも付けされ、クラウド上のフォルダーにPDFなどで保存できるシステムが開発されたようです。
いままで電子カルテへの切り替えには、過去の紙カルテを一気にスキャンし、電子カルテへの紐づけをまとめて、しかも手入力で行っていたため、膨大な事務量を必要とし、導入の大きな障害となっていました。上記のシステムは、コロンブスの卵で、新しい電子カルテを作るたびに過去の紙カルテをスキャンして、その場で電子カルテに紐づけし移行するため、特段の準備とか、構えがいらないというカラクリです。なるほど良く出来ています。
しかも良く出来ている点はこればかりではありません。提供会社である「きりん㈱」は、クラウド型電子カルテシステム「きりんZERO」という商品名で、電子カルテとレセコン(ORCAと連携)をなんと無償で提供しているのです。無償にできる理由は、診療報酬の立替え(金融ビジネス)やカルテ情報を活用した情報提供(情報ビジネス)が収益のようです。またクラウド型ですからお安く提供できるのでしょう。
現在の対応診療科は内科と小児科のみです。実際、無償のものがどこまで使えるのか評価は必要と思いますが、これからはクラウド型で無償(あるいは低料金)タイプが普通になるかもしれません。とりあえず無償なら試してみれば良いわけで、事務負担とコストの制約がなくなれば飛躍的にこのタイプの電子カルテの導入が進む可能性があります。