医業承継バンク
診療所の後継者不足が深刻化する中、福島県で、地域の診療所と医師をつなぐ「医業承継バンク」が設立されることが明らかになりました。
バンクの運営は福島県医師会に委託され、福島県内の診療所を運営する開業医を対象として医業承継に関する意向を調査する一方で、受け継ぎを希望している県外の勤務医師に登録してもらい、受け入れ希望の診療所とマッチングを行います。
同様の取り組みは「医院特化型M&Aコンサルティング会社」などの民間企業によって行われている例もありますが、福島県では県の定住事業と連動させた医師の住まい確保など、行政と一体となった、きめ細やかな支援を行うことで県外からの医師の呼び込みが期待されています。
長野県においても医師確保対策は県政の最重点課題のひとつとして掲げられており、平成19年から「ドクターバンク」がスタートしています。しかし、その対象は病院勤務医の確保が中心で、診療所は対象外となっています。また、長野県のドクターバンクは無料職業紹介事業として求人と求職の仲介斡旋が中心となっており、医業承継を目的としたものではありません。
後継者不足による廃院を防ぐために福島県のような行政が主体となった取り組みが待たれるところです。
医師の高齢化が進み、多くの診療所で医業承継のタイミングを迎えようとしています。まずは顧問税理士・会計事務所や地元金融機関にお気軽にご相談いただくことが最善と思います。
(文責:望月)