週休2日制の導入
建設業における人手不足はここ数年特に聞こえるようになりました。持続的な担い手確保のために県はこれまでも「週休2日を確保するモデル工事」の取り組みについて、入札評価項目としてきました。また平成30年4月1日以降に県が入札公告する全ての工事について受注者が希望すれば週休2日工事とし、かつ、必要な場合には工期の延長やその延長に伴う間接工事費の補正をする取組みが始まります。
若手の採用にあたっては、週休2日制などワークライフバランスの考慮が必要といわれますが、世代間で休日に対する考えのズレもあるようです。月2回土曜日出勤のある会社で、若手が「家庭があり土曜日出勤が難しい」という理由で退職した一方、他社から移ってきた経験者は「土曜日に休みなんて久しぶりでやることがない」と話していたそうです。会社としては土日でも文句を言わずに働く経験者の方がありがたいものの、長い目で見れば次世代の担い手の雇用体制も考えたいところです。
実際の取り組みの運用状況はどうでしょうか。昨年7月に打ち出されたプレミアムサタデー(第2土曜日を休日とする取組み)ですが、実際に休みをとれた会社は全体の40%程度となり、過半数の会社が工期に間に合わない等の理由で休めなかったという結果になりました。特に民間工事では、土日に工事をしてほしいという要望もあり難しいようです。
週休2日制の実施は目新しい話ではなく、今から20年以上前に国交省(当時建設省)が直轄工事の工期設定について完全週休2日制に対応すると通知を出しています。しかし、20年経った現在も目標との乖離は解消されていないようです。反対にこの業界で週休2日制を目指した取り組みをアピールできる企業は、次世代の担い手争奪戦で一歩リードできるのかもしれません。
<文責:鍵田 貴之>
参考:新建新聞 2018年5月15日号