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ワーク・ライフ・ハーモニー

「私はワーク・ライフ・バランスという言葉が嫌いだ」アマゾンのCEOであり、世界の大富豪でもあるジェフ・ベゾスは、アクセル・シュプリンガー・アワード2018の授賞式でそう語りました。仕事と生活は相対立するトレードオフの関係ではなく、お互いが補う一つの環の関係にある。仕事が充実していれば生活も充実し、生活が充実しているからこそ仕事でも最高のパフォーマンスを発揮できる。だから「バランス」という言葉は嫌いだと。事実、彼はよく働きます。しかし睡眠は1日8時間摂り、食後の皿洗いが日課だそうです。このことからも、ベゾスは確かに仕事人間ですが、少なくともワーカホリック(仕事に対する脅迫観念、中毒)ではなさそうです。ちなみに、週60時間程度であれば、労働時間の長短と健康障害の間にはほとんど相関関係がみられず、ワーカホリックの依存度や仕事に対するエンゲージメント(愛着心や誇り)の高さの方が、健康に影響していることを、カナダとアメリカの研究チームが最近明らかにしました。

仕事と生活の関係では、さらに興味深い結果もあります。ボストンカレッジ大学院の研究によれば、子供の幸福感は親の帰宅時間にはあまり関係なく、帰宅時の親の機嫌の良さに影響を受けていたそうです。早く帰宅した不機嫌な親より、たとえ遅く帰ってきたとしても、その日の仕事が充実し、機嫌の良い親の子供の方が幸せだったというのです。

仕事と生活は、どちらかを犠牲にして成り立たせるようバランスさせるものではなく、ハーモニー(調和)させるものなのです。それぞれは補い合い、影響し合い、調和しているのです。最後にベゾスの言葉をそのまま引用しましょう。

「家庭で幸せな時間が過ごせていれば、エネルギーに満ちた状態でオフィスに来ることができる。そして、職場で幸せな時間が過ごせていれば、やはりエネルギーに満ちた状態で家に帰ることができる。どんな職場にもミーティングにやって来たとたんにその場のエネルギーをゼロにしてしまうようなヤツがいる。誰もそんな人間にはなりたくないはずだ。オフィスに入ってきただけで、全ての人に活力を与えられるような人間でありたいだろう」

(文責:髙山正)

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