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介護と経営

旅館「元湯陣屋」その1

神奈川県、鶴巻温泉に「元湯陣屋」という老舗旅館があります。2009年に3代目が急逝し4代目が就任した時は10億円の借金を抱え、存続の危機に瀕していました。そんなわずか18室の旅館が今では年商5億円を超える高収益旅館へV字回復を遂げたニュースは、各メディアで取り上げられているためご存知の方もいらっしゃることと思います。今回はこの旅館の再建手法が介護事業にも参考になると思い取り上げました。

まず行ったことは、スタッフのマルチタスク化と情報共有化によりアルバイトを含め120人いたスタッフが40人で回せる体制へ改革したことでした。
かつては料理を運ぶ専門スタッフを置くなど完全分業制のため、手が空いていたとしても自分の仕事以外は、忙しいスタッフの手伝いをすることはありませんでした。このような体制から、1人のスタッフが何役もこなせる「マルチタスク化」へ改革したことにより、状況に応じ忙しい職場をフォローしあえる環境が出来上がりました。やはり、忙しいときに手伝ってもらえる人がいるとうれしく感じます。手伝ったスタッフも手伝ったことを感謝されるとうれしく感じます。この事により連帯感、達成感が生まれ、もっといい関係になろうと自ら判断し、考えて行動することが定着しました。

回復前の「元湯陣屋」は炭を起こすだけの係が存在するなど相当非効率だったようです。そこまでではなくとも、介護の現場でも協力し合えない状況は多少なりともある事と思います。その理由が、スタッフのスキルの問題なのか、誰が忙しいかわからないなどの情報共有化の問題なのか、思い込みの問題なのか、いろいろ理由はあると思われます。いずれにしろ、もう一度事業所の業務を見直すことにより、より効率化のヒントが隠されているものと思われます。

次回はもう一つのカギである情報の共有化をテーマにします。

【文責:竹内光彦】

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