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月刊未来経営

事業承継元年

内山理名さん主演のNHKドラマ「マチ工場のオンナ」は、大田区にあるダイヤ精機の諏訪貴子さんという実在モデルがいらっしゃいます。そのためリアルに承継の現場が再現され、見ごたえがあり、承継成功のヒントがちりばめられているので関係者必見です。

さて全国では経営者の年齢もこの20年間で最多層が47歳から66歳に移動し、今後5年間で30万人以上の経営者が70代を迎えるにもかかわらず、後継者が決まっていない企業が約
60%を占めています。それどころか70代の経営者であっても、引継ぎ準備を行っている経営者は半数にすぎません。このままいけば2020年の東京オリンピックの後には後継者難を理由に廃業する中小企業が10万社を超えて発生する可能性が高く、この国のサプライチェーンが切れるなど産業基盤を揺るがしかねない危険水域に入る可能性もあります。
とは言え企業の倒産件数をみる限り、バブル崩壊後の最低基準を毎年更新し、その一方で休廃業・解散はここ数年2万5000~9000件の間で高止まりしており、言い換えれば、収益力を残したまま引退を選ぶ経営者が数多くいるということです。そこで政府も「うまく事業承継を…」「後継者さえいれば…」という思いから税制をはじめ様々な事業承継施策を打ち出してきました。今年は何かと「事業承継」が叫ばれると思います。

根本的には、この国全体が失われた20年のあいだ人材育成をずっとサボってしまったツケが回ってきているので、そう簡単にその傾向は止められないとは思います。しかし私の身近にもこんなに良い技術や客筋を抱えて、相当額の黒字であるのに、後継者がいないという企業が何社かあります。もったいない話です。

後継者がいなくても目先では困る話ではないし、逆に目の前の仕事は待っていてくれないので、ついつい考えを先延ばしがちです。しかし最後になってそのツケが大きな代償にならないように、今年は事業承継について一緒に考えてみませんか。

(文責:飯沼)

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